リーンスタートで失敗しない電子カルテ導入
2019年5月22日
新しいことを始める際に知っておきたいこととして、産業界で最近言われている成功の秘訣があります。
それは、「小さく始める」ということです。リーンスタートなどとも言われます。
最近の成功するベンチャー企業が積極的に取り入れて成功している考え方です。
ポイントは2つです。
1.予算を小さく。つまりお金をかけないで始める。
2.やることは少なく。つまり欲張って多くのことを一気にやらずに対象を絞って始める。
これにより、以下のメリットがあります。
とにかく、新しいことで何が起きるかわからない、予測できない中、小さくて良いから始めて、改善していこうという考え方です。
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1.小さく始める
予算を小さく始めるという点について、電子カルテに当てはめてみます。
電子カルテには、何百万円も投資が必要になり、すごく高い買い物だと誤解していませんか?
残念ですが、いくら高い電子カルテを導入しても、売上を1円も生みません。今まで紙カルテで運用していた経験を持つクリニックでは、無理して高いシステムを導入する必要はないと思っています。
例えば、紙カルテ運用をそのままにオーダリングだけ導入するといったやり方もあります。
また、最近ではどんどん新しい電子カルテも発売されていて、かなり安い金額で、他と変わらない機能がある電子カルテも発売されています。自身のクリニックで実現したいことを明確にして、それに合わせた電子カルテを選ぶという視点を持って下さい。
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2.やることは少なく
電子カルテ導入を検討する先生方は、つい、あれもこれもと多くをやりがちです。
せっかく電子カルテを入れるなら、完全ペーパーレス化しないと行けないと思っていませんか?電子化=ペーパーレス化と考えがちですが、電子カルテを入れる目的はペーパーレス化ではありません。
別のやりたいこと、困り事を解決するためという真の目的があることを忘れないでください。こうあるべき、という誤ったこだわりを持つと、通常以上に料金がかかったり、クリニック全体が疲れてしまいがちです。
完全ペーパレス化を目指したクリニックは、クリニックに合ったカスタマイズに何百万円も払ったけど、結局、紙をつかっているというクリニックもあります。肩肘張らずに、紙ファイルが残っても良い、全てスキャンをしなくてもよい、といった気持ちで導入をスタートし、徐々に移行するほうが、うまくいく確率が高いです。