オンライン請求とは?レセコンとの関係や今後の方針・メリット・移行の流れを解説 / エムスリーデジカル株式会社

オンライン請求とは?レセコンとの関係や今後の方針・メリット・移行の流れを解説

2023年12月19日

オンライン請求とは?レセコンとの関係や今後の方針・メリット・移行の流れを解説

オンライン請求を行う医療機関や保険薬局は、近年増加傾向にあります。とはいえ、レセコン未使用・医師が高齢などの理由で、紙や光ディスク等でレセプト請求を行っているのも現状です。

この記事では、オンライン請求の概要や現状、今後の方針、メリットや利用開始の流れを解説します。

オンライン請求の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

オンライン請求とは

オンライン請求とは、保険医療機関や保険薬局と審査支払機関をネットワークで結び、電子データ化された診療報酬(レセプトデータ)をオンラインで請求する仕組みです。

保険医療機関や保険薬局では、紙やフロッピーを用いてレセプト請求を行ってきました。オンライン請求によって、より効率的・安全なレセプト請求ができるようになると言われています。

オンライン請求の現状

令和5年度の厚生労働省の調査によると、オンライン請求を行っている機関数は153,845(70%)、光ディスク請求は59,588機関(27%)、紙レセプト請求は5,624機関(2.5%)でした。請求形態の大半はオンライン請求となっているものの、約30%の医療機関・保険薬局では従来の紙・フロッピーなどでのレセプト請求が行われているのが現状です。

とはいえ、平成27年度から令和5年にかけて、紙・光ディスク等による請求は減少してきており、オンライン請求を実施する機関は増加傾向にあります。

請求形態別機関数の推移

出典: 厚生労働省|オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ

同調査のアンケートによると、光ディスク等による請求を行っている医療機関や保険薬局のうち、令和5年中にオンライン請求を開始する予定だと回答したのは約半数でした。

その一方、紙レセプト請求を行っている機関では、令和5年度中の移行予定は約3%、予定なしが大半を占めています。

オンライン請求を実施しない理由

ではなぜ、紙レセプトや光ディスク等による請求を行っている機関では、オンライン請求を実施しないのでしょうか。

厚生労働省が実施したアンケートによると、紙レセプトで請求を行っている理由は、レセコン未使用が69%、高齢医師が21%でした。

令和5年度までにオンライン請求を実施しない理由として、主に以下のものが挙げられています。

  • セキュリティへの不安がある

  • レセコン業者が対応してくれない

  • デメリットが不明瞭である

  • 請求件数が少ない

  • 高齢である

  • 閉院予定である

  • 紙の方が安全だと感じる

なお、オンライン請求への移行を検討する上で、わかりやすい説明、導入費用の見込みなどがあると望ましいとの声もあります。

オンライン請求の今後の方針

厚生労働省は「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ」を公開しており、より効果的・効率的なシステムによる審査等のために、令和6年9月末までにオンライン請求へ移行することを目指しています。

オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ

出典: 厚生労働省|オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ

オンライン請求移行に向けた基本的な考え方は、以下の通りです。

光ディスク等請求機関
  • 新規適用を令和6年4月から終了

  • 既存機関は令和6年9月末までに、原則オンライン請求に移行
    ※オンライン請求も可能な回線が敷設される

紙レセプトによる請求機関
  • あくまで経過的な取扱いであることを明確化した上で、新規適用を終了

  • レセコン未使用の場合:新規適用を令和6年4月から終了

なお、光ディスク等請求を続ける機関には、移行計画の提出が求められ、1年単位の経過的な取扱いとされます。

また、令和6年4月以降も紙レセプト請求を続ける機関は、当初の要件を満たしている旨の届出を、改めて提出しなければなりません。

オンライン請求システムの流れ

オンライン請求システムの流れ

出典: オンライン請求システムの流れ|新潟県国民健康保険団体連合会

オンライン請求システムの流れは、主に以下の通りです。

まずは、保険医療機関や保険薬局において、電子レセプトデータをオンライン接続用のパソコンに取り込み、オンライン請求センターに送信します。

支払基金では、送信されたレセプトデータをWebサーバで受付け、既存システムで業務処理を行います。審査結果はWebサーバを介し、保険医療機関・保険薬局へ配信されます。

既存の請求との違いは?オンライン請求のメリット

既存の紙レセプトや光ディスク等による請求とオンライン請求の違いやメリットは、主に以下の4つです。

  • 受付時間が延長される

  • レセプトの事前チェックができる

  • 安全性が確保される

  • 電子レセプトとして一元管理できる

それぞれ解説します。

受付時間が延長される

オンライン請求では、紙や光ディスク等による請求と比べ、受付時間が長く設定されています。

紙や光ディスクによる請求では、毎月9日(土・日・祝日を除く)までは17時30分まで、10日は17時30分までの受付とされています。その一方、オンライン請求は、毎月5〜7日(休日を含める)は8〜21時まで、8〜10日は8〜24時まで請求可能です。

レセプトの事前チェックができる

オンライン請求では、受付・事務点検ASPにより、記録もれや事務的な誤りを事前にチェックできます。受付・事務点検ASPとは、不備のあるレセプトを事前に確認し、速やかに修正できるサービスです。

受付・事務点検ASPによって、保険医療機関や保険薬局で速やかに修正し、当月中(12日まで)に請求が可能となります。また、支払基金としても、業務効率化につながります。

安全性が高い

従来の紙や光ディスク等による請求は、支払基金の窓口へ持参したり、郵送したりしており、搬送時の破損や紛失などのリスクがありました。

一方、オンライン請求ではセキュリティの高いネットワーク回線を使用するため、安全性が高いです。

電子レセプトとして一元管理できる

オンライン請求では、審査後の増減点連絡書や返戻レセプトを、CSV形式のデータとして受け取り、ダウンロードできます。

そのため、レセプト請求から受付・事務点検処理結果情報取得まで、電子データとして一元的な管理が可能です。

オンライン請求利用開始の流れ

オンライン請求に移行する際、どのような流れで開始すればよいか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、オンライン請求利用開始の流れを解説します。

オンライン請求用のパソコンを用意する

まずは、オンライン請求用のパソコンを用意します。

既存のパソコンがオンライン請求に対応しているかどうか、以下「オンライン請求用パソコン動作環境」で確認してみましょう。

オンライン請求用パソコン動作環境

ただし、インターネットを閲覧するパソコンは、セキュリティ対策を講じる必要があります。

既存のレセコンが対応しているか確認する

すでにレセコンを導入している場合、レセプト電算処理システムに対応している必要があります。既存のレセコンの機種が対応しているかどうか、ベンダーに問い合わせてみましょう。

ネットワーク回線を準備する

オンライン請求では、ネットワーク回線が必要です。厚生労働省の通知により、以下3つの接続方式があります。

  1. ダイヤルアップ接続方式

  2. IP-VPN接続方式

  3. インターネット(IPsec+IKE)接続方式

既存の環境で接続可能かどうかは、各サービス提供事業者に問い合わせてみるとよいでしょう。

セキュリティ対策を万全に行う

オンライン請求では、セキュリティ対策を万全に行わなければなりません。主に、以下の4つの対策を講じる必要があります。

  • 厚生労働省のガイドラインに沿った「安全対策の規定」を策定する

  • 審査支払機関の「オンライン請求システム利用規約」に同意する

  • 審査支払機関の「電子証明書」を取得する

  • オンライン請求用パソコンのウイルス対策を講じる

オンライン請求は、患者の氏名や保険番号など、個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策はしっかり行いましょう。

届出書類を作成・提出する

オンライン請求のパソコンやネットワーク回線、セキュリティ対策が整備できたら、届出書類を作成し、毎月20日までに支払基金へ提出します。届出書類は用途によって分かれていますので、以下のサイトを参考にしてください。

出典: 導入に関わる届出等|社会保険診療報酬支払基金

届出書類を提出すると、翌月中旬に送信用ソフトなどの設定ツール等が支払基金から無償で送付されてきます。オンライン請求用のパソコンに送信用ソフトをインストールすれば、オンライン請求の利用が開始できます。

レセコン一体型・連動型ならエムスリーデジカル

オンライン請求への移行に伴い、レセコン導入を検討されている方は、弊社エムスリーデジカル株式会社の製品を活用してみるのも選択肢の1つです。

弊社では、クラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」を提供しています。電子カルテレセコン一体型、ORCA連動型に対応しており、レセコン単体、電子カルテ単体でのご提供も可能です。レセコン単体では初期費用無料、月額14,800円(税抜)からコストを抑えて利用開始できます。オプションで既存のレセコンからのデータ移行も可能です。無料体験も可能なので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

オンライン請求によって、紙や光ディスク等による請求に比べ、より効率的で安全なレセプト請求が可能となります。

医療DXの推進やオンライン資格認証の義務化などに伴い、厚生労働省は令和6年9月末までにオンライン請求へ移行することを目指しています。そのため、レセコン未使用、高齢の医師等の理由によってオンライン請求を実施していない機関では、今後、対応を検討する必要があると考えられるでしょう。

弊社では、クラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」を提供しています。電子カルテ単体・レセコン単体・一体型いずれも提供可能です。5,000施設以上の導入実績、100以上のサービス・機器と連携実績があり、利用環境に合わせてご提案できます。

レセコン単体では初期費用無料、月額14,800円(税抜)から利用が開始でき、オプションで既存レセコンからのデータ移行も可能です。サポート体制も万全ですので、お気軽にご相談ください。

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