Web問診とは?導入するメリットやデメリット・選び方の5つのポイント
2024年2月16日
近年、Web問診システムを導入している病院やクリニックが増えつつあります。Web問診システムは、感染リスクの削減や待ち時間の短縮につながるメリットがある反面、デメリットもいくつかあります。
Web問診システムの導入を検討しているものの、選び方のポイントがよく分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Web問診の概要やメリット・デメリット、システム選びのポイントを解説します。
Web問診とは
Web問診システムは、診察を受ける前に患者がスマートフォンやタブレットなどの端末から問診票を入力するシステムです。
Web問診システムは、待合室の混雑緩和や待ち時間の短縮、受付の業務効率化につながります。事前にWeb問診に入力されていない場合、来院時に入力してもらうことも可能です。
紙問診との違い
従来の紙による問診票は、患者が医療機関に来院して記入するケースがほとんどです。患者が来院し、受付後に記入してもらうため、診察までに時間がかかります。
記入した内容に不備がある場合、医療事務や看護師が改めて情報を確認しなければなりません。また、記入してもらった氏名・連絡先・既往歴などの情報をカルテへ転記する手間もかかります。
その一方で、Web問診は自宅や外出先、移動中の電車の中などでも入力でき、電子カルテと連携している場合は自動で転記されます。
AI問診との違い
AI問診は、患者の主訴等に合わせてAIが問診内容を最適化して問診を行います。Web問診と似ていますが、決まったテンプレートでの記入を促すだけでなく、患者の性質によって問診項目をAIが変えてくれるという部分に強みがあります。
Web問診のメリット
Web問診システムを導入するメリットは、主に以下の3つです。
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受付業務の効率化につながる
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スムーズな診察につながる
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患者の待ち時間を削減できる
それぞれ解説します。
受付業務の効率化につながる
Web問診を導入すると、受付を担当している医療事務スタッフの業務効率化につながります。
紙の問診票のように、受付スタッフが受け渡しを行う必要がありません。電子カルテを導入している場合、患者が入力した内容がカルテに反映されるため、転記する労力や時間を削減できるでしょう。また、転記ミスの心配もなくなります。
スムーズな診察につながる
Web問診では、患者が来院する前に入力した問診票の内容を確認できるため、スムーズな診察につながります。
医師や看護師は、事前に入力された症状を確認し、患者が来院する前に必要なケアや治療方針の予測が立てやすくなります。例えば発熱がある場合、事前に感染症検査の準備をしたり、診察の優先順位を判断したりと、患者に合わせた対応が可能となるでしょう。
患者の待ち時間を削減できる
Web問診システムの導入によって、患者の待ち時間の削減につながります。
従来の紙による問診では、患者が病院やクリニックに到着し、保険証や診察券を受付に出してから問診票を記入するケースが一般的です。
しかし、Web問診システムでは、患者の自宅や移動中の電車などで事前に問診に入力できます。そのため、病院に到着したあとの待ち時間が短縮され、患者の満足度向上につながる可能性があるでしょう。
また、自院では対応困難な病状の場合、患者が来院する前に本人へ連絡をとり、状態に適した医療機関の受診を勧めることもできます。こうした対応が可能となるため、患者の労力の削減にもつながりやすくなります。
Web問診のデメリット
Web問診を導入するデメリットは、主に以下の3つです。
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導入・ランニングコストがかかる
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操作に慣れるまで時間がかかる
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患者が利用してくれない可能性がある
それぞれ解説します。
導入・ランニングコストがかかる
Web問診システムを導入するにあたって、初期費用やランニングコストがかかります。電子カルテや他のシステムと連携する場合、追加費用がかかることもあるでしょう。
Web問診システムによって費用は異なります。いくつかのシステムの費用を比較し、自院にとって負担にならないか、よく検討することが大切です。
操作に慣れるまで時間がかかる
Web問診システムは、スマートフォンやタブレットなどから電子データとして集計が行われます。そのため、デジタルツールが苦手な事務スタッフがいる場合は、集計やデータの連携に手間がかかる可能性もあるでしょう。
患者が利用してくれない可能性がある
スマホの扱い等に慣れていない高齢の患者さんの場合は、そもそもWeb問診ツールをつかいこなせない場合があります。
その場合、導入して間もない頃は患者に代わって入力したり、操作方法を説明したりする必要があるかもしれません。
また、病院やクリニック側としても、Web問診を使ってくれる患者とそうでない患者が混在することで、オペレーションが複雑になる場合がございます。
Web問診システムの選び方のポイント
Web問診システムはいくつかのメーカーが提供しており、どのように選んで良いのか迷う方も少なくないでしょう。
以下、5つのポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
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操作性は良いか
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カスタマイズ性はあるか
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電子カルテとの連携は可能か
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費用は負担にならないか
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サポート体制は万全か
それぞれ解説します。
操作性は良いか
Web問診システムは、操作性が良いものを選ぶことが大切です。画面が分かりやすく直感的に操作できると、デジタルツールの操作が苦手な人でも導入のハードルが低くなるでしょう。
操作しづらいWeb問診システムでは入力や情報確認に時間がかかり、医療スタッフだけでなく患者にとっても心理的・時間的な負担につながります。
Web問診によって診察をスムーズにするために、いくつかの無料デモを実際に操作して、最も操作性のよいものを選びましょう。
カスタマイズ性はあるか
Web問診システムを選ぶ際、自院の特徴に適した問診票を作成できるようなカスタマイズ性があるかも重要です。
問診票のフォーマットがなければ、いちから設定しなければならないため、システム導入までに時間を要してしまいます。あらかじめフォーマットがあり、自院の診療科目などの特徴によって項目を追加したり削除したりできるようなシステムであれば、スムーズな導入が期待できるでしょう。
また、実際に使用し始めてからも、質問項目を自由に追加・削除する可能性も考えられます。カスタマイズ性のあるシステムであれば、より質の高い医療に役立てられるでしょう。
電子カルテとの連携は可能か
Web問診システムを導入する際、電子カルテとの連携が可能かどうかも確認しましょう。
すでに電子カルテを利用している場合、連携するために別途費用が必要となる場合もあります。連携の方法もシステムによって異なります。
例えば弊社の「デジスマ診療」は、予約、自動受付、問診だけでなく、電子カルテ・レセコンの「エムスリーデジカル」との連携、決済、次回予約までワンストップで完結でき、スムーズな診療プロセスが構築できます。
費用は負担にならないか
Web問診システムを導入する際、初期費用やランニングコストが負担にならないか、よく検討しましょう。
システムにより導入費用や月々のランニングコストは異なります。基本料金だけでなく、電子カルテとの連携やサポートなどのオプション料金も含め、全体の費用はどの程度かかるのか、いくつかのシステムを比較検討することが大切です。
基本料金は安いものの、オプション料金が高いケースもあれば、逆の場合もあります。自院に必要な機能やサービスを事前に洗い出し、長期的な視点で検討してみましょう。
サポート体制は万全か
Web問診導入後、サポート体制は万全かどうかも確認しておきましょう。
導入までのレクチャーや操作説明は行ってもらえるのか、導入後の設定変更や操作方法に対する相談なども受け付けてもらえるのか、システムに不具合があった際、すぐに対応してもらえるのかなどは、重要なポイントです。
サポートは対面かオンラインか、電話やチャットによるものかなども確認しておくと安心して利用できるでしょう。
Web問診ならデジスマ診療
弊社エムスリーデジカル株式会社では、予約から問診、電子カルテ・レセコンの「エムスリーデジカル」との連携、決済、次回予約まで、クリニック運営に必要な機能をワンストップ化した「デジスマ診療」を提供しています。
診察券による自動受付、カスタマイズ機能付きのWeb問診、キャッシュレス決済など、受付業務をサポートすることで、患者の通院時間の削減、再診率の向上が期待できるでしょう。
なお、Web問診システムと連携可能なクラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」は、電子カルテレセコン一体型、ORCA連動型に対応しており、レセコン単体、電子カルテ単体でのご提供も可能です。
レセコン単体では初期費用無料、月額14,800円(税抜)からコストを抑えて利用開始できます。オプションで既存のレセコンからのデータ移行も可能です。無料体験も可能なので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
Web問診システムは、患者がスマートフォンやタブレットなどを用いて、来院前に質問に回答するシステムです。Web問診システムを導入することで、受付業務の効率化やスムーズな診察、患者の待ち時間削減などにつながると考えられます。
とはいえ、導入には初期費用やランニングコストがかかり、サポート体制もシステムにより異なります。自院の特徴や課題を明確にし、ニーズに適したWeb問診システムの導入を検討してみましょう。
弊社では、クリニック運営に必要な機能を集約した「デジスマ診療」を提供しています。Web問診システムと連携可能なクラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」は、電子カルテ単体・レセコン単体・一体型いずれも提供可能です。5,000施設以上の導入実績、100以上のサービス・機器と連携実績があり、利用環境に合わせてご提案できます。
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