クリニック開業支援セミナーとは?メリットや活用法・選び方のポイント
2024年9月20日
クリニックの開業を検討している際、クリニック開業支援セミナーに参加すると、有益な情報を得られる可能性があります。
しかし、数多くのセミナーが開催されており、どれが自分にとって最適か判断するのは難しい場合があります。また、忙しい診療の合間に、全てのセミナーを受講するのは現実的ではありません。
この記事では、クリニック開業支援セミナーの6つの選び方と受講するメリット、活用法について解説します。
目次
クリニック開業支援セミナーとは
クリニック開業支援セミナーは、クリニックを開業するために必要な情報ややるべきことを、さまざまな専門家から詳しく学べる集まりです。
勤務医は土地の選定や税務、労務などに触れる機会が少ないため、こうした手続きを開業時に自力で行うのは難しいことがあります。
クリニック開業支援セミナーを上手に活用すれば、開業時に多くの医師が悩んだり不安になったりする話を直接専門家から聞くことができ、そのノウハウを学べます。開業のプロからアドバイスを受けることで、開業の負担を軽減し、成功へと導く効果が期待できます。
クリニック開業支援セミナーのメリット
クリニック開業支援セミナーを受講することで得られるメリットは、主に次の3つが挙げられます。
最新情報を入手できる
実践的なアドバイスを得られる
開業スケジュールの目処が立つ
最新情報を入手できる
クリニック開業支援セミナーは、開業の知識やノウハウを日々アップデートしている企業が主催しており、クリニック開業の最新情報を入手できます。
診療業務に集中している医師にとって、クリニックの市場動向や法改正情報、診療報酬の改定ポイントなどをいち早く把握できるのは大きなメリットだと言えるでしょう。
さらに、医薬品卸や不動産に関する情報など、企業ごとの強みを活かした最新情報も得られるため、多くのセミナーに参加するほど、時代の変化に対応した準備ができるでしょう。
実践的なアドバイスを得られる
クリニック開業支援セミナーでは、実績のある講師が具体的な実例を交えながら実践的なアドバイスを提供します。
例えば、会計事務所からは、事業計画や資金調達のノウハウ、ホームページ制作会社からは集患対策のポイントなど、それぞれのプロの視線からアドバイスを得られます。
また、すでに開業して成功している先輩医師から体験談を聞く機会もあり、同じ医師の目線で実践的なアドバイスをもらえれば、より安心して開業準備が進められるでしょう。
開業スケジュールの目処が立つ
クリニック開業支援セミナーに参加することで、開業までにやるべきことを詳しく把握できるため、スケジュールの目処が立ちやすくなります。
例えば、診療圏調査は開業の9か月前から始め、物件契約は3か月前までに完了させる必要があります。スタッフ採用やホームページ作成の検討は、開業5か月前から進めるなど、適切なタイミングで必要なタスクを計画できます。
「急いては事を仕損じる」というように、焦らず準備を進めることが経営の安定化のためにも重要です。開業スケジュールの目処が立つと、失敗しない開業の可能性が高まるでしょう。
クリニック開業支援セミナーの活用法
クリニック開業支援セミナーをより有効活用するためには、次の3つのポイントを押さえて参加することが重要です。
知識を習得し、開業ステップに反映させる
人脈を構築し、情報やサポートを得る
個別相談を活用し、具体的な課題解決につなげる
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
知識を習得し、開業ステップに反映させる
クリニック開業支援セミナーでは、開業に関する総合的なノウハウや経営の知識、さらに時代の変化に伴い重要視されるようになった医療DXなどの最新トピックも学べます。
こうしたノウハウや知識を、実際の開業準備や運営に活かしましょう。
まずは全体像を把握するための体系的なセミナーに参加し、開業の枠組みを理解します。その後、より専門的なセミナーに参加すれば、実践的なスキルを習得できます。具体的には、以下のような知識が得られます。
事業計画の立て方(基本計画・資金計画・収支計画など)
開業費や運転資金の目安
必要な設備の導入方法
不必要な設備の把握
集患のためのWeb戦略
税務・労務対策
不動産選定のポイント
法律・診療報酬改定の把握など
これらの知識やノウハウを開業ステップに反映させることで、開業準備をスムーズに進めやすくなるでしょう。
人脈を形成し、情報やサポートを得る
クリニック開業支援セミナーは、数十人規模で開催される傾向にあります。オンライン形式では参加者との交流が難しい場合がありますが、来場形式のセミナーでは、同じく開業を目指す医師同士で関係を深めやすいでしょう。
また、クリニック開業を目指す医師だけでなく、すでに開業している先輩医師が多数参加している場合もあります。セミナー後の懇親会などでは、成功している医師から直接話を聞く機会が得られ、開業後の経営にも役立つでしょう。
こうしてセミナーを通じて築いた人脈は、開業後も力強い支えとなります。
個別相談を活用し、具体的な課題解決につなげる
クリニック開業支援セミナー後には、無料で個別相談が行われることが多くあります。こうした相談の機会を活用することで、開業準備に役立てられます。
例えば、次のような相談を行えるでしょう。
〇〇で良い物件がないか相談したい
事業計画について相談したい
融資など資金の調達について相談したい
医療機器の選び方を相談したい
ホームページでの集患対策を相談したい
開業のプロに直接相談ができる機会は貴重ですので、積極的に活用しましょう。
クリニック開業支援セミナーの6つの選び方
クリニック開業支援セミナーは多くの企業が実施しており、どれに参加するか迷うことも少なくありません。そこで、次の6つのポイントをもとに、最適な開業支援セミナーの選び方を解説します。
実施方法を確認する
料金を比較する
内容を確認する
主催者をチェックする
信頼性を評価する
講師の経歴・実績を確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. セミナーの実施方法を確認する
クリニック開業支援セミナーには「来場形式」と「オンライン形式」の2つの実施方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。セミナーの日程が重ならない限り、これらを併用すれば、より多くのセミナーに参加できます。
以下、それぞれの形式の特徴を解説します。自分の住環境やライフスタイルに合わせて、最適な形式のセミナー受講を検討しましょう。
来場形式
来場形式は、実際にセミナー会場へ足を運んで受講する方法です。会場の雰囲気を肌で感じながら、直接セミナー講師から話を聞けるのが特徴の1つです。主な開催地は東京や大阪、名古屋、福岡などで、都市部から離れている場合は参加が難しい場合があります。
オンライン形式
オンライン形式は、ZoomなどWeb会議システムを利用して受講する方法です。来場形式と異なり、移動の必要がないため、どこからでも気軽に参加できるのがメリットです。地方在住者にとっても便利で、多くの選択肢を持てるでしょう。
2. セミナー料金を比較する
セミナーを選ぶ際には、料金を比較することも大切です。クリニック開業支援セミナーの料金は、無料と有料の2つに大別され、それぞれにメリットがあります。以下に、無料と有料の特徴を把握し、自分に適したセミナーを検討しましょう。
無料セミナー
多くのクリニック開業支援セミナーは、参加費が無料です。企業ホームページやセミナー情報サイトから申し込みを行い、現地またはオンラインで受講する形式が一般的です。
また、セミナー後に無料で個別相談を提供している場合もあり、追加のサポートを受けられることもあります。
有料セミナー
一部のクリニック開業支援セミナーは有料です。2時間で約1万円の単発セミナーから、数ヶ月継続するセミナーでは数十万円に達するものまで、費用はさまざまです。
有料の場合、費用がかかる分、無料セミナーでは得られない開業ノウハウや具体的な実例を濃密に学ぶことができます。
まずは自分が知りたい内容の無料セミナーに参加し、より詳しい知識やノウハウが必要だと感じた場合、有料セミナーを検討するのが賢明でしょう。
3. セミナー内容を確認する
セミナーを選ぶ際には、その内容が自分のニーズに合っているかを確認することが大切です。セミナーごとに提供される内容は異なり、自分が特に必要としている知識やスキルを得られるかどうかを見極めることが、開業準備の成功につながります。
クリニック開業支援セミナーの内容は、次の3つに分けられます。
開業全般のノウハウ
経営全般のノウハウ
医療DX
開業全般のノウハウ
多くの医師は、開業時に何から手をつければいいのか、どのような問題に直面するのかに悩みます。この悩みを解消するため、開業全般のノウハウを学べるセミナーを選ぶことが重要です。
例えば、開業全般のノウハウとしては次の内容が含まれます。
診療圏調査
保健所や医師会への開設手続き
資金調達方法
事業計画書作成
医療機器選定
税理士・公認会計士の選定
医療施設の設計
スタッフ採用
ホームページ作成
その他
経営全般のノウハウ
多くの医師は診療に時間を割いており、開業するまで経営に触れる機会が少ないため、経営全般のノウハウを学ぶことが重要です。
例えば、経営全般のノウハウとしては次の内容が挙げられます。
資金調達・交渉
ファイナンシャルプランニング
集患対策
スタッフ採用・教育
マニュアル作成
医療安全管理
個人情報保護
節税対策
退職金・年金準備
資産運用
相続・事業継承
その他
医療DX
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)は、現代の医療において重要なテーマです。特に、コロナ禍を通じて医療のデジタル化の必要性が強く認識され、政府もその推進に力を入れています。
例えば、政府が推進している医療DXに対応するためのセミナーでは、次のような最新の技術と方針を学ぶことができるでしょう。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化
「全国医療情報プラットフォーム」の創設
電子カルテ情報の標準化(クラウド活用)
診療報酬改定DX
これらの知識を習得し、将来の医療環境に備えるために、医療DXに関するセミナーを選ぶことが重要です。
4. セミナー主催者をチェックする
セミナーを選ぶ際には、セミナーの主催者をチェックすることが重要です。主催者によってセミナーの目的が異なるため、その目的を理解することで、自分に最適なセミナーを選べるでしょう。
セミナーの主催者は次の3つに大別されます。
医療関係製品の企業
調剤薬局チェーンと経営コンサル会社
医療関係の出版社
それぞれの目的を解説します。
医療関連製品の企業
医療機器や電子カルテ、建築メーカーなどの医療関連製品の企業は、主に自社製品のPRを目的としてセミナーを主催しています。
これらの企業にとって、セミナーは開業を検討している、またはすでに開業している医師と知り合える良い機会です。意欲的な医師が、こうした企業の製品を導入したいと考える場合、この企業が主催しているセミナーを選ぶと良いでしょう。
調剤薬局チェーンと経営コンサル会社
大手の調剤薬局チェーンと経営コンサルタント会社が連携して主催するセミナーは、開業医の誘致が主な目的です。
同地域に開業してもらうことで、顧客であるクリニックが増え、両者の経営面でのメリットが期待できます。また、物件の選定や経営サポートを提供することも多く、開業コンサルを検討している医師にとって、これらのセミナーが有益です。
医療関係の出版社
医療情報専門誌の出版社は、主に開業医の研修目的でセミナーを主催しています。
これらの出版社は、純粋にノウハウを提供することで医師からの信頼を獲得し、自社情報誌の売り上げにつなげることを目指しています。一般的に自社PRが少なく、安心して参加できるため、開業を検討している医師にとって、入門セミナーとして最初に選ぶのは有益でしょう。
5. セミナーの信頼性を評価する
クリニック開業支援セミナーを選ぶ際は、セミナーの信頼性を確認する必要があります。信頼性の高いセミナーを選ぶと、正しい情報を元に開業準備を進められ、成功につながりやすくなります。
信頼性を評価するために、次の2点を把握することが重要です。
信頼できる実績があるか
多くの参加者から高い評価を得ているか
これら2点は、口コミや評判サイトを参照すると確認できます。過去に同じ主催者のセミナーに参加した医師からのポジティブな評価や具体的な成功事例が紹介されていれば、セミナーの信頼性は高いといえるでしょう。信頼性の高いセミナーを選んで、開業を成功へと導きましょう。
6. セミナー講師の経歴・実績を確認する
講師の経歴や実績は、クリニック開業支援セミナーを選ぶ際に重要です。講師自身がクリニック開業で成功している場合、そのノウハウや実践的なアドバイスを元に開業すると成功に直結します。
また、主催企業が豊富な実績を持っている場合、その講師も実績豊富な場合が多く、企業の実績を確認するのもセミナーを選ぶ際のポイントです。
密度の高い情報を得るために、講師の経歴や実績を確認してセミナーを選びましょう。
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まとめ
クリニック開業支援セミナーの選び方や、セミナーを受講するメリット、セミナーの活用法を解説しました。
近年、多数の開業支援セミナーが開催されるようになり、情報量も増加しています。
自分にとって必要なセミナーを取捨選択することで、忙しい診療の合間で有益な情報を効率よく得られるでしょう。
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