電子カルテの使い方は難しい?基本的な操作方法・便利な機能を解説
2023年10月13日
「電子カルテの使い方は難しそう」「上手く使いこなせるか自信がない」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
電子カルテの操作には、ある程度慣れが必要です。電子カルテの導入によって情報を一元化できるだけでなく、医師、看護師、医療事務などの業務効率化につながりやすくなります。とはいえ、紙カルテに慣れている方や、パソコン操作に苦手意識がある方は、電子カルテの導入に不安を感じるケースは少なくないでしょう。
この記事では、電子カルテの使い方は難しいのか解説するとともに、便利な機能・使いこなすためのポイントをお伝えします。
電子カルテとは
電子カルテとは、患者の診療経過を記入していた紙カルテや各種検査結果などをデータ化し、一元管理する医療情報システムです。電子カルテを導入することで、業務効率化や医療ミスの防止につながりやすくなるでしょう。
電子カルテの種類は「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットは、以下の通りです。
オンプレミス型 | クラウド型 | |
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特徴 |
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メリット |
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デメリット |
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電子カルテに関して詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
電子カルテとは?普及率や3原則、導入するメリット・デメリットを解説
電子カルテの使い方は難しい?
厚生労働省の報告によると、電子カルテの普及率は近年上昇傾向にあり、大規模病院では91.2%と、ほとんどの病院で導入されています。一方で、200床未満の小規模病院やクリニックでは50%に満たない状況です。普及率が低い理由として、導入コストの負担だけでなく、電子カルテの操作に不安を持っていることが考えられるでしょう。
医師や医療スタッフが高齢である場合、パソコンやタブレット操作に苦手意識を持っているケースは少なくありません。慣れ親しんだ紙カルテのほうが使いやすく、手間もかからないと感じ、導入を見送ってしまうことも考えられます。
とはいえ、近年販売されている電子カルテは、直感的な操作で入力できるものもあります。手書き機能に対応していれば、紙カルテのように記入することも可能です。使い方に慣れる必要はありますが、電子カルテは業務効率化に役立つでしょう。
電子カルテの普及率は、以下の記事を参考にしてください。
【2023年最新】電子カルテの普及率|普及が進まない理由・導入する3つのメリット
電子カルテの便利な機能
メーカーによって細かい仕様は異なりますが、電子カルテは便利な機能を備えているものも少なくありません。主な機能として、以下のようなものが挙げられます。
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直感的な操作が可能な画面
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定型文・テンプレート登録
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オーダーセット登録機能
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検索機能
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手書き入力
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タッチパネル入力
それぞれ解説します。
直感的な操作が可能な画面
近年、電子カルテには改良が加えられ、画面表示が分かりやすく、直感的な操作が可能なものが登場してきました。
患者属性・病名・診療録などが1つの画面におさめられ、一目で情報を把握できます。また、次になにをすべきか操作手順が提示されたり、分かりやすいアイコンが使われていたりするものもあります。これまでの電子カルテに比べ、使い方が簡単になっているといえるでしょう。
定型文・テンプレート登録
電子カルテによっては、定型文やテンプレートを登録しておける機能があります。
例えば、内科や外科など診療科ごとに、よく使う文章や数値を定型文やテンプレートとして登録しておけば、診療のたびに入力する手間を省けます。
また、診療情報提供書や診断書、検査説明書、同意書などのテンプレートを登録しておくことも可能です。診察が終わって患者を待たせる時間が短縮でき、患者満足度の向上にもつながるでしょう。
オーダーセット登録機能
電子カルテには、オーダーセット登録機能を有するものがあります。例えば、病名・主訴・所見・よくオーダーする処置や処方、療養指導などを組み合わせてセット登録できます。
セット登録をする場合、はじめは手間がかかりますが、一度セット化しておけば、カルテ入力の手間を大幅に削減できるでしょう。
弊社のエムスリーデジカルは、処置行為自動学習(AI)機能を備えており、よくオーダーする処置行為を自動でセット化して提案してくれます。有料オプションでは、初期学習データの作成も可能です。過去1年分のデータを取り込み、電子カルテ導入初日からDo処方が可能になるため、カルテ入力の負担軽減につながるでしょう。
検索機能
電子カルテには検索機能を有するものが大半なため、紙カルテのように過去の情報を探す手間が大幅に削減できます。
経過の長い患者の場合、紙カルテでは情報を探す時間や手間がかかるだけでなく、経年劣化によって字が薄くなっていたり、検査データが読み取りにくかったりするケースは少なくないでしょう。
電子カルテの検索機能を使えば、必要な情報を一瞬で探し出せます。
手書き入力
メーカーによっては、タブレット端末とタッチペンを使って手書き入力できる電子カルテがあります。場所を選ばないため、タブレットを院外に持ち出し、訪問診療や訪問看護にも活用できます。
エムスリーデジカルでは、iPad手書きカルテアプリとタッチペンによるカルテ入力が可能です。タッチペンは、紙に書くような書き心地でスムーズに入力できます。また、iPadで撮影した写真は、保存するとカルテ画面に瞬時に反映されます。写真にもタッチペンで書き込みが可能なので、シェーマを多用する方や電子カルテに苦手意識がある方でも、紙カルテのように入力できるでしょう。
タッチパネル入力
電子カルテによっては、タッチパネル対応のソフトウェアを搭載し、タッチパネル入力が可能なものがあります。
タッチパネル入力はタッチペンで紙カルテのように入力したり、指を使って画面を拡大したりできます。画面にタッチして操作するため、スマートフォンやタブレットのように直感的に使えるため、キーボード操作が苦手な方や、パソコンに苦手意識のある方にとって、カルテ入力の負担軽減につながるでしょう。
電子カルテに備わっている機能は、使いこなすことで業務効率化につながります。そこで、電子カルテを使いこなすためのポイントを以下で解説します。
電子カルテを使いこなすためのポイント
電子カルテを使いこなすためのポイントは、以下の5つです。
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操作を習得するための研修を行う
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電子カルテに精通する人材を育成する
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操作マニュアルを作成する
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メーカーのサポートを受ける
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定期的に改善を図る
それぞれ解説します。
操作を習得するための研修を行う
電子カルテを使いこなすために、院内で研修を行いましょう。
医療スタッフの中には、電子カルテを使ったことがなかったり苦手意識を持っていたりする人がいる可能性があります。そのため、院内全体で電子カルテの操作方法を学ぶ機会を作り、理解を深めることが大切です。
研修では、なるべく全員が操作方法を理解できるよう、実際に電子カルテを使ってデモンストレーションするのが効果的です。とはいえ、仕事や家庭の都合などで参加できないことも考えられます。その場合、数日に分けて開催し、スタッフ全員が研修を受けられるようにサポートしましょう。
電子カルテに精通する人材を育成する
いくら直感的に操作できる電子カルテが増えてきたとはいえ、スタッフ全員が精通するのは難しいでしょう。その場合、電子カルテに精通する人材を育成すれば、操作に困っているスタッフをサポートできます。
院内にいない場合は、外部から採用するのも1つの方法です。
院内で研修を行う場合、メーカーが対応できない場合でも、電子カルテに精通した人材が数人いれば、講師としてスタッフにレクチャーできるでしょう。
操作マニュアルを作成する
電子カルテを使いこなすために、操作マニュアルを作成するのも有効です。
診療科や来院する患者属性により、クリニック各に最適な院内オペレーションは異なります。クリニックごとに異なるため、そのため、院内スタッフが中心となり、職種ごとにマニュアルを作成すると良いでしょう。作成を担当したスタッフは、自ずと電子カルテに精通する効果も期待できます。
操作マニュアルが手元にあれば、使い方に迷った時にすぐ確認できるため、業務が妨げられにくくなるでしょう。
メーカーのサポートを受ける
電子カルテを使いこなすためには、導入前にメーカーのサポートを受けることが大切です。
基本的な操作だけでなく、自院に合わせてカスタマイズする内容についてもサポートを受けましょう。分からないことはその都度確認し、サポートなしでも使いこなせるよう、理解を深めるようにします。
メーカーによって、受けられるサポート内容は異なります。無償なのか有償なのか、導入前だけか導入後もサポートしてもらえるのか、立ち会いが可能か、何回まで受けられるかなど、しっかり確認するようにしましょう。
定期的に改善を図る
電子カルテは、定期的に機能を見直す必要があります。
電子カルテを導入する際、自院に必要な機能がよく分からず、勧められるまま、便利な機能を追加してしまっていることは少なくないでしょう。
機能が多すぎると、かえって不便になるリスクがあります。定期的に電子カルテの内容を見直し、使っていない機能や自院に必要ではないものは外すようにしましょう。
まとめ
電子カルテは、使い方に不安や苦手意識がある方でも、直感的に操作できるものが増えてきています。手書き入力やタッチパネル入力など、便利な機能を有するタイプもあり、業務効率化につながりやすくなるでしょう。とはいえ、機能が多すぎるとかえって不便になるリスクもあるため、自院に適した電子カルテを選ぶことが大切です。
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