ORCA(オルカ)とは?特徴や導入方法・注意点・オンライン資格確認への対応状況 / エムスリーデジカル株式会社

ORCA(オルカ)とは?特徴や導入方法・注意点・オンライン資格確認への対応状況

2023年12月27日

ORCA(オルカ)とは?特徴や導入方法・注意点・オンライン資格確認への対応状況

ORCA(オルカ)は、日本医師会が提供している「日医業準レセプトソフト」です。レセコンには、ORCAとそれ以外の2種類があります。さまざまなメーカーが手がけるレセコンの中でもORCAはシェア率が高く、多くの医療機関で利用されています。

レセコンの入れ替えや導入を検討しているものの、そもそもORCAがどういったものなのか分からない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、ORCAの特徴や導入する方法や注意点、オンライン資格確認への対応状況を解説します。

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目次

ORCA(オルカ)とは

ORCA(オルカ)とは、日本医師会が、会員のために提供している日医標準レセプトソフト(日レセ)です。日レセは、レセコンの中でもシェア率が高く、約17,000以上の医療機関で利用されています。

日本医師会は、医療IT化や医療情報の標準化を進める目的で「ORCA」プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、2002年から日医標準レセプトソフト(日レセ)のプログラムやデータベースをオープンソースとして公開しています。

ORCAの特徴

ORCAの特徴は、主に以下の4つが挙げられます。

  • 信頼性が高い

  • 最新の状態に維持できる

  • 導入・ランニングコストを抑えられる

  • 拡張性が高い

それぞれ解説します。

信頼性が高い

ORCAは、医療現場のIT化を推進する日本医師会が提供しているソフトウェアであるため、高い信頼性があります。

ORCAには、レセプト電算処理システムが標準装備されており、保険点数や項目の間違いがありません。常に最新のマスタや、プログラム更新を行なっているため、多くの医療機関からの支持を得ていると言えるでしょう。

最新の状態に維持できる

ORCAでは、常に薬の最新マスタや、最新プログラムを公開しています。医療現場でシステムを使っている人からの要望を反映し、随時改善・更新されているため、常に最新の状態に維持できます。

診療報酬改訂にも迅速に対応しており、別途費用もかかりません。

導入・ランニングコストを抑えられる

ORCAは、メーカー製のレセコンに比べて、導入・ランニングコストを抑えられます。

メーカー製のレセコンの中には、診療報酬改訂があれば、追加ソフトの購入やハードの買い替えなどが必要となるケースがあります。

ORCAは無償で公開されているソフトウェアなので、レセコンごと買い換える必要がありません。定期的にパソコンやプリンターなどを入れ替えれば、経済的な運用が見込めるでしょう。

拡張性が高い

ORCAは、拡張性が高いのも特徴の1つです。レセプト電算処理システムが標準装備されているため、電子カルテと連動すれば、入力ミスの防止やレセプト作成の効率化が図れます。

すでにORCA以外のレセコンを導入している医療機関では、連携可能な電子カルテが限定されるケースも少なくありません。ORCAであれば、無償で公開されているAPIを利用し、多くの電子カルテと連携できます。

ORCAのオンライン資格確認への対応状況

ORCAは、オンライン資格確認にも対応可能です。

2023年4月から「オンライン資格確認」が原則義務化されました。オンライン資格確認とは、医療機関と支払基金をネットワークで接続し、患者の保険資格情報をオンラインで取得する仕組みのことです。

資格確認を行う方法には、以下の2つがあります。

  • マイナンバーカードと顔認証付きICカードリーダー(以下顔認証リーダー)を用いる

  • レセコン等に登録された被保険者証の被保険者番号・記号・番号(以下被保番)を用いる

マイナンバーカードと顔認証リーダーを用いる場合、マイナンバーカードに記録された電子証明書に紐付けられた最新の保険資格情報を取得します。

患者の被保番を用いる場合は、レセコンが必要です。レセコンに登録された患者の被保番を用いて保険資格を問い合わせ、保険情報の有効性をオンラインで取得します。

政府は、オンライン資格確認のネットワークを基盤とし、オンライン請求、電子カルテ情報の共有など、医療情報プラットフォームの構築を進めています。日レセは単体のレセコンとしても利用できますが、時代の変化に合わせ、ORCAも「WebORCA」としてクラウドにも対応できます。

日レセを導入する方法

日レセを導入する方法は、主に以下の2つです。

  • 自身でソフトをダウンロードし設定する

  • メーカーからレセコンを購入する

それぞれ解説します。

自身でソフトをダウンロードし設定する

日レセの導入にあたり、機器や環境を整え、自身でソフトをダウンロードする方法があります。

ORCAが推奨する基本のシステム構成は、以下の通りです。

  • 基本OS:Linux

  • ソフトウェア:日医標準レセプトソフト

  • サーバ:2台構成

  • クライアント端末:Windows、MacOS

サーバは2台構成が推奨されており、1台の場合はバックアップ用の装置が必要です。

詳しい設定方法は、以下、日本医師会ORCA管理機構のサイトを参照ください。

出典: 日本医師会|日医標準レセプトソフト

メーカーからレセコンを購入する

日レセ導入には、メーカーからレセコンを購入する方法があります。日本医師会では、全国の「日医総研日医IT認定サポート事業所」からの購入を推奨しています。

日医IT認定サポート事業所は、北海道から沖縄まで全国に181箇所あります。具体的な事業所のリストは、以下を参考にしてください。

出典: ORCAプロジェクト|日医IT認定サポート事業所リスト(pdf)

認定サポート事業所には、医療事務のインストラクターとシステムの専門技術者が在籍しているため、トラブルなどが生じた際、迅速に対応してもらえます。

メーカーによって、提供しているサービスは異なるため、自院のニーズに適した事業所を選ぶことが大切です。

ORCAを導入する際の注意点

メーカーからORCAを導入する場合、以下の3点を確認しておくことが大切です。

  • データの移行が可能か

  • 操作の説明はどの程度受けられるか

  • サポート体制は万全か

それぞれ解説します。

データの移行が可能か

現在使用中のレセコンがある場合、患者の基本情報や病名などの情報はスムーズに移行できるケースが一般的です。ただし、メーカーによっては移行できない場合があるため、注意が必要です。自院のレセコンからデータ移行が可能かどうか、あらかじめ確認しておくことが大切です。

また、データ移行にかかる費用もメーカーによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

操作の説明はどの程度受けられるか

現在、自院で使っているレセコンがあれば、診療行為等の入力コードを合わせられるため、新たに覚える必要はありません。

とはいえ、レセコン導入が初めての場合、操作が分からなかったりトラブルが発生した場合、業務に支障が出る可能性が考えられます。認定サポート事務所の日医ITインストラクターによる操作説明が受けられるメーカーがほとんどですが、練習は何回行ってもらえるのか、追加料金はどの程度かかるのかなど、事前に確認しておくと安心です。

サポート体制は万全か

各メーカーによってサポート体制は異なるため、導入前に確認しておくようにしましょう。事前に確認しておきたいサポート内容には、以下のようなものが挙げられます。

  • 導入前の無料相談はあるか

  • 操作方法のデモンストレーションは可能か

  • システム構成の提案をしてくれるか

  • 使用場所へ設置してくれるか

  • ネットワーク接続、設置後の調整は可能か

  • 他社レセコンからのデータ移行を行ってくれるか

  • 現在のレセコンのコードに合わせた設定は可能か

  • 導入後の操作説明はあるか

  • サポートが受けられる時間帯 など

メーカーによっては、業務内容に合わせた運用相談を行ってくれるところもあります。自院の規模に合わせ、必要なサポートが受けられるか、複数のメーカーを比較して検討してみましょう。

電子カルテを導入するのも有効な手段

ORCA導入にあたって、電子カルテを導入するのも有効な手段です。

電子カルテには、レセコンと連携できる「連動型」と、1つのシステムで動く「一体型」があります。いずれも電子カルテの情報を元に、レセプトが作成されるため、レセコン単体での導入よりもメリットが多いと言えるでしょう。

それぞれ、特徴やメリットを解説します。

電子カルテ・レセコン連動型

電子カルテとレセコンが別々のシステムで、それぞれの情報を連携させる必要があります。

例えば、すでにレセコンを導入している場合、電子カルテを追加して連携できるため、導入や初期費用を抑えられます。将来的にどちらか一方を入れ替える際、既存のものを使い続けることが可能です。

電子カルテ・レセコン一体型

電子カルテとレセコンが一体になっているシステムです。患者情報や請求情報を一元化して管理できるため、2つのシステムを操作する必要がありません。

1つの端末を立ち上げて操作が完結するため、受付から請求書作成までの手間を大幅に軽減できるでしょう。

レセコンと電子カルテの連携や、レセコン一体型に関して詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事: レセコンとは?種類や機能・電子カルテと連携するメリット、選定ポイントを解説

一体型・連動型ならエムスリーデジカル

既存のレセコンの入れ替えや、オンライン資格確認の義務化・電子カルテ情報共有の構築などに伴い、レセコン導入を検討されている方は、弊社エムスリーデジカル株式会社の製品を活用するのも選択肢の1つです。

弊社では、クラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」を提供しています。電子カルテレセコン一体型、ORCA連動型に対応しており、レセコン単体、電子カルテ単体でのご提供も可能です。レセコン単体では初期費用無料、月額14,800円(税抜)からコストを抑えて利用開始できます。オプションで既存のレセコンからのデータ移行やネットワーク設定・運用コンサルティング・操作説明など、サポート体制も万全です。無料体験も可能なので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

日本医師会が提供する日レセソフト「ORCA」は、常に最新の状態が維持でき、信頼性の高いソフトウェアです。レセコン単体としても利用できますが、電子カルテとの連携によって、医療現場の業務効率化につながります。

レセコンを導入する際、メーカーによって特徴やサービスは異なるため、自院のニーズに適しているか、よく検討することが大切です。

弊社では、クラウド型電子カルテ「エムスリーデジカル」を提供しています。電子カルテ単体・レセコン単体・一体型いずれも提供可能です。5,000施設以上の導入実績、100以上のサービス・機器と連携実績があり、利用環境に合わせてご提案できます。

レセコン単体では初期費用無料、月額14,800円(税抜)から利用が開始でき、オプションで既存レセコンからのデータ移行も可能です。サポート体制も万全ですので、お気軽にご相談ください。

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